【榛原】
◆包み、結ぶ文化◆

 贈答という習慣は世界中にありますが、日本人ほど贈り物を美しく、丁重に包んで渡す民族は他にはないでしょう。それを象徴するのが、慶事や弔事に使われる金子包み。清楚な白い和紙は包んだものを「けがれ」から隔て、水引は贈る人の心を伝えます。
 水引は、慶事には赤白や金銀など、弔事には黒白や銀などの色が使われますが、さらに用途によって結び方が変わります。大きく分けると、出産祝いのように何度もあってほしいことには蝶結び(両輪結び)、水引の両端を引くとほどけます。
一方、結婚や葬儀のように一度きりであってほしいことには水引を結び切りにします。これは水引の両端を引っ張ってもほどけません。結び切りやその応用である飾り結びは見た目に豪華ですので、高額を包む時には使いたくなりますが、入学や賀寿などのお祝いには使いません。
 では、ちょっとクイズを。病気見舞いには何色の水引で、どんな結び方をするのでしょう。礼法や地域によっても違いますが、小笠原流礼法では赤白で結び切りとしています。包み結ぶという日本の文化、なかなか難しいものです。

和紙
榛原
●中央区日本橋2-7-6
(地下鉄日本橋駅から徒歩2分)
●03(3272)3801

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