【黒江屋】
◆器は手計りで選ぶ◆
 グラス、湯のみ、そば猪口……日常的に使っている器の直径を、ちょっと計ってみてください。8cm前後ではありませんか?
では、今度はご飯茶碗と汁椀を。男性用なら、口径が12cm前後といったところでしょうか。
実は、この大きさは食器を手に持って食事をする日本人が、長い年月の間に編み出した絶妙のサイズ。コップのように横から持つ物は8cm、昔流にいえば3寸弱というのが日本人の手にすっぽり収まる大きさなのです。そして、お椀のように底に高台のある器の口径は、親指と中指で作った半円の中に収まる12cm、4寸という大きさ。この大きさなら、横や上からはもちろん、伏せていた椀もしっかりつかめるのです。さらに椀の口径と高さの比はほぼ2対1で、4本指で高台を支えて親指を上に伸ばすと、ちょうど椀の縁にかかって安定するという見事なバランスにも作られているのです。
そうそう、夫婦椀や夫婦箸など男女で大きさが違う食器類も「手」が決めた大きさ。男尊女卑で女性用を小さくしたのではなく、それぞれの手が使い勝手のよい寸法を決めてきたのです。
いいデザインなのになぜか使わなくなった器があったら、それは目は気にいったのに手が気に入らなかったからなのかもしれません。漆器をはじめとする日本の食器、次回お求めになるときは、手にも選ばせてあげてください。
漆器
黒江屋
●中央区日本橋1-2-6
●03(3274)0948

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