【総本家 更科堀井】
◆そばの色は白? 黒?◆
 そばの色が黒いのは、そば粉の割合が多いと思っておられる方が、意外にたくさんいらっしゃいます。実際、黒っぽいそばには昔風、田舎風の素朴な雰囲気があって、そばの実がたっぷり使われているように感じられます。しかし、そばの実の使用割合とそばの色はあまり関係がないのです。
 そばが一般に食べられるようになった江戸時代初期、そばの色は黒く、舌ざわりもボソボソとしていました。これはそば粉にそば殻や甘皮が多く混じっていたためで、また、そのせいで生地に弾力が持たせられず、麺を長く伸ばすことができませんでした。
 しかし、その後、製粉技術が進歩して、そば殻や甘皮が混じらないそば粉が挽けるようになると、そばの色は白くなり、喉越しの良いそばが好まれるようになりました。
 ところで、どのくらいそば殻や甘皮が入ると、黒いそばになるのでしょう。実は、そば殻などの混じった黒いそば粉2割に小麦粉8割を合わせてそばを打つと、真っ黒いそばができ上がるのです。
黒いそば粉を風味のために入れているのか、それとも見せかけで入れているのか……。
その白黒をつけるの は、お客様の舌というわけです。
そば
●総本家 更科堀井
●港区元麻布3-11-4
●03(3403)3401

最新記事

    This post is also available in: 英語