【銀座 越後屋】
◆小都心温暖化と衣替え◆
 太宰治の文章のなかに、衣替えの季節になったが単衣(ひとえ)の着物が無いため、夫人が袷(あわせ)の着物をほどいて洗い張りし、単衣に仕立て直したという話がでてきます。6月から9月までは単衣、10月から5月までは袷、というのが着物の一応の決まりごとなのです。
 しかし、最近の都心の暑さは異常です。真夏並みの暑さの日でも袷を着て、汗をかいているかたをお見かけするたびに、ひと昔前の決め事に無理に合わせる必要はないのではないかと呉服屋は考えます。
 衣替えは、平安時代には4月1日、5月5日、8月15日、9月9日、10月1日の5回、江戸時代には4月1日と10月1日に行われていました。衣替えの日は、その当時の気候や人々の暮らし方に合わせて決められてきたのです。
 この100年で、日本の地上気温は1.26℃上昇した(気象庁)そうです。また、未来予測では、21世紀末、東京の猛暑日は現在の12日(2020年)から47日に増加するとか(気象研究所)。
衣替えの日が変わるのも、そう遠い未来のことではないかもしれませんね。
特選呉服
銀座 越後屋
●中央区銀座2-6-5
(地下鉄銀座駅から徒歩4分)
(地下鉄三越前駅A8番出口すぐ)
●03(3563)5691

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