【吉徳】
◆お雛様の右往左往◆
 雛人形の男雛と女雛、さて左右どちらに置けばよかったのかと、迷われたことはありませんか? 現在、一般的には向かって左に男雛、右に女雛を並べます。結婚式の新郎新婦の並び方と同じと覚えていただけば、お忘れにならないでしょう。
ところが、昔のお雛様を見ると、すべて向かって右に男雛が置かれていますし、京都では現在も右が男雛です。かつては宮中で、このように並んでおられたのです。ところが鎖国が解かれて西洋文化が入ってくると、西洋式に女性が向かって右に並ぶことが多くなりました。決定的となったのは昭和のご大典の際、京都御所の紫宸殿の向かって左に天皇の高御座が、右に皇后の御帳台が置かれたことです。結局、東京の人形業界では、お雛様の並び方を昭和天皇のご真影にならうことにしたわけです。
そうそう、お内裏様以外のお人形の並べ方もお教えしておきましょう。三人官女は中央が座っている官女、向かって右手に長い柄の付いた酒器を持っている官女を並べます。五人囃子は向かって左から、大きな音のする楽器を持っている順に並べてください。
人形
吉徳
●台東区浅草橋1-9-14
●03(3863)4419

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