今年も花火の季節がやってきました。
数ある東京の花火大会のなかでも、一番人気は、やはり「隅田川花火大会」でしょうか。毎年、テレビ中継もされる東京の夏を代表する風物詩ですが、実は「隅田川花火大会」という名称は昭和53年(1976)から。それ以前は、将軍吉宗が享保18年(1733)に催した水神祭で花火を打ち上げた時から、ずっと「両国の川開き」と呼ばれていました。風情ある行事名が消えたのは、少し寂しい気もしますね。
さて、今月ご紹介する浮世絵は、その両国の花火を描いた一枚。描かれているのは「白玉売り」に扮した明治の名優・五代目尾上菊五郎です。この浮世絵が描かれてから約150年がたった今年の春、8代目尾上菊五郎が誕生しました。約1年がかりの襲名披露興行が、華やかに続いていきます。
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