【ちんや】
◆ペリーと狆(ちん)◆
当店の屋号は「ちんや」。このちょっと変わった名前は、かつてチンを扱う「狆屋」をしていたことに由来します。
チンは、大陸からもたらされた小型犬に改良を重ねてつくられた日本の犬で、江戸中期から大奥や諸大名、豪商の屋敷などで愛玩されるようになりました。狆屋の仕事は、そうした人たちを相手にチンを売ると同時に、より優れた容姿の犬をつくりだすブリーダーでもありました。
その狆屋に、幕末から明治維新にかけて大チャンスが訪れました。日本に開国を迫ったペリーの2度目の来航時に将軍や幕府が一行に贈った8匹ほどのチンをきっかけに、欧米でチンブームが起きたのです。特にイギリスでは王侯貴族が争うようにチンを欲しがり、チンの値段は高騰しました。
一方、開国で日本の犬事情も激変しました。江戸の町を闊歩していた野良犬は一掃され、すべての犬を飼い犬とする規制が施行されると、文明開化の象徴として洋犬がブームになったのです。当店が「狆屋」をやめ、料理屋を始めたのは明治13年のこと。時機を見ての転身だったのかもしれません。
ところで、ペリー一行が持ち帰ったチンですが、そのうちの少なくとも1匹がペリー宅で長く飼われていたことがわかっています。
その名も、イド(エド)!
すき焼き
●ちんや
●東京都台東区浅草1丁目3-4
●03-3841-0010(代)

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