蕎麦は、江戸の昔から脈々と受け継がれている庶民の食文化。当店では、蕎麦は日本の文化であると考え、美味しさの工夫を重ねてきております。
蕎麦の芯だけを挽いた更科粉を卵でつないだ「ざる」は、喉越しも滑らかで癖のない甘味が特長。挽きぐるみ粉などの蕎麦粉を二八の割りでつないだ「もり」は、風味豊かな味わい。小海老と小柱のかき揚げ天ぷらと三つ葉を入れた温かい汁に、冷たいお蕎麦をつけて召し上がっていただく「天ざる」「天もり」は3代目の時代に工夫され、磨かれてきたものです。
ところで当店の日本橋本店では、食事のひとときをさらに楽しんでいただけたらと、1階客席の奥に、小さな庭をしつらえております。槙の木を中心に、いくつかの樹木やつくばいを配した簡素なものですが、年に4度、庭師さんにお願いして四季の景色をつくっていただいています。
春は、やはり桜です。ツボミで植え入れていただき、落花まで楽しんでいただきます。夏は、あじさいです。雨が降ると、より風情が感じられ、つくばいに落ちる雨粒が動きを創り出します。秋は、紅葉。庭の上の小さな空から陽が射し込みますと、店内にまで秋の情趣に染まります。そして冬は、雪吊り。東京で雪が積もるほど降ることはなかなかありませんが、放射状に縄を張る雪吊りの見事な造形には毎年、私も思わず見とれてしまいます。
窓際のお席に座られることがございましたら、ぜひ大振りな樹木の足元に植え込んだ数種の草木もご覧になってください。小さな庭から日本の四季を感じ、当店の蕎麦を楽しんでいただけましたら幸いです。
蕎麦●室町砂場
●中央区日本橋室町4-1ー13
●03(3241)4038

