【第三十七回目】
志乃多寿司總本店:人形町「街歩き」の絶品土産
こんにちは。老舗のコンシェルジュです。
「人形町散策のお土産のおすすめは?」…ですか。はい。わかりました。

街歩きブームが続いていますが、なかでも人形町は大人気ですね。水天宮という“ご利益”スポットがありますし、明治座での観劇はもちろん、毎月のように開かれているお祭りや町ぐるみの催事(夏のせともの市や冬の人形市などいっぱい!)も人気のようですね。 そして、何といっても嬉しいのがグルメなお店がいっぱいあること。高級料亭もあれば洋食屋さんも充実、おいしいお土産にも事欠きません。なかでも私がおすすめなのが、「いなり寿司」!

お店は、「人形町志乃多寿司總本店」。人形町の名物ストリート「甘酒横丁」にある明治10年(1877)創業のお店。ここが持ち帰り専門の寿司屋さんなんです。
明治の初め、武士だった初代がいわゆる“武士の商法”で始めようとして目をつけたのが、好物のいなり寿司。工夫を凝らし、“志乃多”と名づけて売り出しました。
「志乃多」の名は、浄瑠璃の有名な演目で、キツネの化身「葛の葉」が詠んだ「恋しくば 訪ね来てみよ 和泉なる 信田の森の うらみ葛の葉」に由来するもの。<キツネ → お稲荷さんのお使い → 油揚げ → いなり寿司>という連想からの命名です。江戸時代から芝居町として栄えてきた人形町の店らしい洒落た名づけですね。
37-b
37-c ところで、「いなり寿司」は日本中で見かけられますが、この店のは、ややほっそりとした姿が特徴です。箸でも、手でもつまみやすく、2口で食べきれる品の良い大きさ。女性は特に嬉しいかも!
艶やかな照りも、見るからにおいしそう。噛めば、お揚げの旨みがじゅわ~っと口の中に広がります。砂糖、醤油、みりんで、今も昔のままに調味しているそうですよ。油揚げは、味がよくしみるように、一般のものより薄く作らせた特注品だとか。
お揚げと、しゃりの酸味が一体となって、ついつい手が伸びるおいしさ。小さないなり寿司に、130年の伝統の技と心が込められているんですね。そうそう、もう一種類買うなら「黄菊寿司」がおすすめ。椎茸、栗、海老、粉のり、ごまが入って、彩りも楽しい名物です。
街歩きは楽しいけれど、家に帰ればやっぱりドッと疲れを感じますね。さあ、お茶をいれて、「いなり寿司」を開けて、いただきましょう。街歩きのフィナーレ! 幸せな1日になりますよ。

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