【第二十九回目】
神茂:心があたたまる「おでん」の具と、お正月の彩り
こんにちは。老舗のコンシェルジュです。おでんが恋しい季節になりましたね。皆さんのお好みのおでんの具はなんですか?
大根? 玉子? しらたき? ごぼう天……? 東京のちくわぶや静岡の黒はんぺん、大阪のたこ、など「絶対はずせない」ローカルネタもそれぞれにおいしいですよね。
いずれにしても、おでんは冬のご馳走。体も心もほかほか温まります。
ところでおでんの材料として欠かせない練り物やはんぺんの名店といえば、日本橋の「神茂」。とりわけ「はんぺん」はグルメ垂涎の逸品。きめ細かな生地が盛り上げられている独特の形も、淡雪のようにふわりと軽い食感も、口の中で広がる魚の旨みも、他店の追従をゆるさない別格のおいしさです。
生でも、ちょっと焼いてもおいしですが、おでん鍋のなかに、ぽっかりと浮いている姿は、それだけで何やら幸せな気分になります。

そして神茂といえば、お正月のお節料理でもお世話になるお店。我が家でも、この店の伊達巻と蒲鉾を最後にお重につめて、お節の完成です。江戸風の彩りで、いっぺんにお重が華やかにお正月らしくなるのは、毎年のことながらいつも不思議だなぁと思ってしまいます。

それにしても、この店の初代が日本橋の魚市場内に店を構えたのは元禄元年だったのだとか。以来、創業の場所を離れることなく17代、320年。
営々と商売を続けてきたお店もすごいですが、この店を支えているお客様もすごい。ファンも16代、17代と続いているわけですからね。あらためて「老舗」っておもしろいと思います。

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名品と呼ばれるはんぺんも蒲鉾もごぼう天も、日本橋の町の一画にある本店の地下工場で一つひとつ丁寧に作られています。神茂の商品はデパートでも買えますが、ぜひ一度、本店にも足を運んでみてください。江戸以来の明るい声での応対が、これまた一流です。

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