【明神下 神田川本店】
◆粋、野暮、生野暮◆
 江戸を語るときに「粋」という言葉がよく使われます。江戸とはいっても、「粋」が誕生したのは江戸も中期以降のこと。それ以前、たとえば元禄時代は豪華で派手なことがはやりでした。
ところが、粋という美意識が確立するや、たとえば美人の条件にしても、豊麗な丸顔から柳腰の細面へとがらりと変わってしまいます。厚化粧よりも薄化粧、冬でも裸足できりりと歩き、着物の柄も大胆な絵模様から縞柄のようなすっきりした幾何学模様になったといいます。近年はやった厚底ブーツにガングロ化粧の少女は、元禄時代ならともかく、それ以後のお江戸では「不粋」「野暮」と言われたことでしょう。  ちなみに、鰻の蒲焼の食べ方でいうなら、初めから山椒を振りかけてしまうのは野暮。山椒を皿の端にでも取り分け、つけながら食べるのが粋な食べ方といったところでしょうか。
ところで、その「野暮」ですが、どなたか「生野暮」という言葉をご存知ではありませんか?人をけなす言葉なのか、それとも野暮ではあってもどこか可愛げがあるという愛情を含んだ言葉なのか。どこかで聞いたこの言葉が、ずっと気になっているのです。
鰻蒲焼
明神下 神田川本店
●千代田区外神田2-5-11
●03(3251)5031

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