【中清】
◆浅草っ子は年中多忙◆
浅草寺は、推古36年(628)、3人の漁師の網にかかった黄金の観音像を祀るために堂舎を構えたのが始まりと伝えられる古刹です。そして、その3人を浅草の鎮守として祀ったのが浅草神社。浅草寺の大祭を「三社祭」と呼ぶのも、そこから来ています。
 三社祭は現在、5月の第3金・土・日曜に行われていますが、浅草の氏子町内が忙しいのはその3日間だけではありません。祭り当日はもちろん商売そっちのけですし、終われば、後片付けでおおわらわ。そして、夏が過ぎ、秋の風を感じ始めると、もう翌年の三社様が気にかかり始めます。どこかの町内ではっぴを新調すると聞けば、すわ「わが町内でも!」と、そんな調子で寄合が続きます。
年末年始は、さすがの浅草っ子たちも本業に精を出します。仕事に追われるので、新年会なども2月に開催。やがて、花の便りが聞こえてくると、頭の中は次第に祭りのことで一杯に。
年齢を重ねるごとに、浅草に生まれ育った幸せがわかってきたような気がします。義理と、人情と、お祭りと……。浅草はいい町です。
天ぷら
中清
●台東区浅草1-39-2
(地下鉄浅草駅から徒歩5分)
●03(3841)4015

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