【第二回目】
千疋屋總本店(新本店):フルーツが香る、伝統のカレー

sembikiya2005年の夏、日本橋「三越」の北側に、超高層のオフィスビル「日本橋三井タワー」が竣工しました。12月にはタワー上層階に、最高級ホテル「マンダリン オリエンタル 東京」が開業。空中回廊で結ばれた隣の三井本館(国の重要文化財)も同時期にリニューアル、国宝6点・重文20点を所蔵する三井記念美術館がオープンして、日本橋散歩が、ぐーんと楽しくなりました。
日本橋界隈のお散歩情報は、「江戸・東京散歩」のページへ

 ところで、この日本橋三井タワーの建っている場所に、千疋屋の本店があったのを覚えている方も多いでしょう? どうなったのか……というと、実はこの日本橋三井タワーの中に「千疋屋新本店」がオープンしたんです。それも、スタイリッシュで品格あふれるショップ&ティールーム&レストランとなって!

curry千疋屋については、改めてご説明するまでもないでしょう。天保5年(1834)創業の、日本一のフルーツショップ。私など「千疋屋さんのフルーツをお見舞いにいただけるなら、病気になってもいい」と思っているくらいです。1階のショップには、そんな垂涎のフルーツがいっぱい。“伝説”のように賞賛されているメロンはもちろん、りんごも、柿も、いちごも、熱帯のフルーツたちも、一つひとつがプライドに満ちて並んでいます。
でも1階でのショッピングは、あとのお楽しみ。目指すは2階、「千疋屋フルーツパーラー」へ。ここの名物「スペシャル マンゴーカレーライス」が今日のおすすめです。
 「スペシャル マンゴーカレーライス」は、マンゴーが入っているので、刺激的な辛いカレーが好きな人には物足りないかもしれません。でも、子どもだましの甘口カレーではありません。
しっかりとしたスパイスの香りが味のベースにあり、そこにマンゴーの甘みとコク。さらに上質のポークのうまみも加わって、あじわいは繊細だけれど、軟弱ではありません。カレー通に千疋屋ファンが多いのも、だからこそ。フルーツショップであるとともに、洋食の逸品を作り続けてきた老舗の頑固なパワーのようなものを感じます。ピクルスのおいしさも特筆もの。最後にフルーツのミニデザートも運ばれてきて、お得感もいっぱいです。
coffe2階は千疋屋フルーツパーラーの奥に、「デーメテール」というレストランもあって、マンゴーカレーをはじめとする洋食メニューはもちろん、本格的なディナーコースをいただくこともできます。ワインも100種類以上と、充実のラインナップ。天井のスワロフスキー社製のクリスタルビーズを使用したシャンデリアが、昼は清楚に、夜はゴージャスに輝いて、最高の雰囲気ですよ。

 さて、最後にお土産情報を。1階のショップはフルーツのミュージアム。果物、ジャム、フルーツケーキなどなど、お土産にしたいものがいっぱいですが、ちょっと変わったものを探しているかたには、「千疋屋オリジナルコーヒー豆」がおすすめです。
3種類販売されていますが、私がいつも買うのは「ブラジルピーベリーコーヒー」。味はもとより、高い香りと澄んだ色あいが大好き。食品の安全性への高い配慮も、老舗ならではと関心させられます。ぜひぜひ、一度、お試しあれ。

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