旧暦10月20日は、商売の神・恵比寿様の祭礼「恵比寿講」の日です。なかでも有名なのが、「べったら市」の名で知られる大伝馬町・寶田恵比寿神社の恵比寿講。大伝馬町は、江戸時代には木綿問屋が軒を連ねる繁華街でしたので、各商家では恵比寿神を祀って宴会を開き、それは賑やかに恵比寿講を祝ったそうです。
今月の浮世絵は、その大伝馬町を広重が描いた一枚です。江戸城にまっすぐ続く日光・奥州街道の両側に、屋号を染め抜いた紺暖簾をかけ、屋根に「うだつ」を上げた商家がずらり。うだつは防火壁であり、また多額の費用がかかることから、商家の繁栄の証しでもありました。
ちなみに、右列の手前から3軒目は伊藤屋といい、現在の松坂屋百貨店。また右列一番奥は小津屋で、現在は小津和紙として今も同じ場所に本社を置いておられます。べったら市にお出かけの際は江戸時代、ここに、こんな景色が広がっていたことをぜひ想い浮かべてみてください。

『東都大伝馬街繁栄之図』、広重、国会図書館蔵
