【宮本卯之助商店】
◆道路事情とお神輿◆
 お祭りといえば、昔も今も「お神輿ワッショイ!」。そう思っておられるかたが多いと思いますが、実は、江戸の祭りに町神輿はありませんでした。当時の祭礼は、京都の祇園祭のように山車を中心としたもので、お神輿は有名な神社に本社神輿がある程度だったのです。ところが明治時代に電化のため街路に電灯線が張り巡らされると、背の高い山車は町に繰り出せなくなりました。町神輿は、山車の代わりとして登場することになったのです。
同じように、道路事情によって、お神輿が減り続けた時期もあるのです。その発端となったのが、昭和39年の東京オリンピックでした。この祭典を大きな目標にして走り始めた日本の高度成長は、人間が歩きやすい道路より車が走りやすい道路を良しとするものでした。つまり、「お神輿が練り歩くと車の交通のさまたげになる」というのです。今では信じられないでしょうが、こんな理由でお神輿を担がない時期がありました。
お神輿は決して安い買い物ではありませんが、当店の記録を見ていると、かつては世の中が不況の時には、それを吹き飛ばそうと祭事に力を入れたようです。最後は「神頼み」ということなのかもしれませんね。
神輿・太鼓
宮本卯之助商店
●台東区浅草6-1-15
(地下鉄浅草駅から徒歩7分)
●03(3874)4131

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